ライオン:“男臭さ”原因物質を特定−−男性ホルモンが変化「アンドロステノン」(11/19:Mainichi INTERACTIVE)
男性が多く分泌する物質を男女各20人にかいでもらったところ、女性だけがアンドロステノンに強い不快感を示すことが判明。このにおいをかいだ時の脳波を男女各10人で測定すると、女性全員から「不快感」や「イライラ感」を示す脳波が検出された。
一方、男性はこの臭いをかいでも「リラックス」に傾くのだそう。
つまり、この臭いの不快さは女性にのみ理解できるものだということだ。*1
このことについて、毎日新聞環境部記者である「理系白書ブログ」の筆者(女性)が、この臭いの研究者(こちらも女性)の着眼点に対して、「男性ならとうてい選ばないテーマだろう」と述べ(まぁ、この研究結果から言えば当然だろう。)、企業の活性化のためにも、科学の進展のためにも「研究部門をもつ民間企業の50%は、「研究者のうちの女性の割合が2%以下」」という性比率のアンバランスを意識的に変更してゆく必要があると考えている。(11/19:「科学とジェンダー」)
私は男の体臭が好きだし、男の体臭が嫌いな男だって居るだろうし、よって本能的に、生物学的に女性にしかわからないこと、女性だからわかることだなんて、本当にあるのかどうかわからない、断定なんてできない。が、ジェンダーがもたらす男女間の視点の違いはあり、性別ごとにある程度の傾向というものは認められる。そういう意味で、これまで女性側の視点が欠けたまま進んできた科学を女性の視点から問い直す作業が必要ではないかしらね。
今回特定された臭いの原因物質から、制汗剤などが開発されるだろうけれど、面白いことだよね。男性が女性のために、男性が女性に嫌われないために、自分には不快ではない臭いをわざわざ消す努力を強いることになるのだから。男性も見えない臭いと戦わなくてはいけない。いまや誰から不快の目を向けられるかわからない。今までのように”見る側”の座に安住などしていられないのだ。
*1:わたしはこのむせ返るような臭いがすきで、ついつい近寄って嗅いでしまうんだけどねぇ。