若年の無業者「ニート」、2010年は100万人規模?(asahi.com)

「消費の抑制や労働人口の減少による潜在成長率の低下も懸念され、早急な対応が必要」(門倉貴史第一生命経済研究所:主任エコノミスト)とが指摘。
国勢調査に基づいて、同研究所が90〜00年のニート比率を計算し、その上昇傾向などを前提に試算」したそうだけれど、

10年には100万人に迫ったのち、15年に109万3000人、20年に120万5000人に達するとの結果となった。95年時点では29万4000人で20年に約4倍になる計算だ。

01〜03年の増加傾向を前提とした場合は、20年に154万1000人に達するという。

って線形的に求めてない?
…まぁいいや。その後が面白いから

ニートを5年間続けた場合の生涯所得を試算すると、卒業と同時に正規社員になった大卒男子の約4分の3になる。ニートからの就職は職業訓練不足からパート労働となる可能性が高く、その場合の生涯所得賃金は大卒男子の2割弱にとどまる。ニートが消費を抑えることで、03年の名目国内総生産(GDP)は約0.15ポイント押し下げられたという。ニート増加による労働人口の減少などの影響で、00〜05年の日本の潜在成長率が約0.25ポイント押し下げられる、としている。

ニートからパート就労した人と、大卒男子の生涯所得賃金と比較しちゃだめだよぉ。ニート経験者/ニート非経験者について同じ職種で賃金比較しないと。とニートという経験が賃金格差を生んでいるのではなくて、単にパートの労働条件が悪いんだってば。「ニートからの就職は職業訓練不足からパート労働となる可能性が高く」というけれど、単純に大卒じゃないから、無職期間があるから、じゃないの?本人の努力不足のせいにしてしまってよい問題?
それに、ニートが消費を抑えたことによって、03年のGDPが押し下げられたなんて、どうして言えるのか。労働人口の減少が滞在成長率に影響を産むとかいっているけれど、ニートが増えてもなお就職難が生じていることについてはどう説明するのかい。受け入れが少ないのですよ、余ってしまうのですよ、足りないのはパート的労働、3K(今でもこういう言い方するのですか?)労働くらい。
消費もしない、まともな職業に就けない、ってまったく、”ニート”とされる人を十把一絡げにしているけれど、果たしてその内部属性についてさらに細かく問わなくてよいのだろうか。中卒、高卒、大卒とでも異なるだろうし、年齢、男女でも異なるはず。

同研究所の試算は、国勢調査のデータを使い、既婚者もニートに含めてはじき出したため、厚労省の推計値より増えている

厚生労働省は「求職していない15〜34歳のうち、学校卒業者、未婚者で、家事や通学していない者」をニートとして推計している(03年に52万人)が、既婚者含めてしまっていいの?既婚者のニートって誰のこと、ねぇ、専業主婦/夫のこと?ぷー。
この統計については専業主婦の存在は無視?経済成長のために生産年齢人口を総動員ってことなの?