都立高:奉仕活動を必修科目に 07年度から導入へ

(11/11:MSN-Mainichi INTERACTIVE)

東京都教育庁は07年度から、都立高校全校に「奉仕」を必修科目として導入する方針を決めた。来年度は研究校を20校指定し、試験的にスタートさせる。就学も仕事も職業訓練もしない「ニート」と呼ばれる若者が増えているが、「社会と接し、自分の進路や生き方を見つける機会になれば」としている。同庁によると、都道府県レベルで奉仕活動を必修科目とするのは初めて。

都道府県レベルでは奉仕活動を必修としていなかった、ということを初めて知った。このことも踏まえて「奉仕」という教科を必修とすることの是非についてはまた改めて考えなくてはいけないなと思った。

そして、今注目したいのは「奉仕」の目的の記述(引用太字:筆者による)。
なんかおかしくなーい?
「奉仕」という滅私奉公をイメージさせる科目名と、科目の目的(自分探しの機会を与えて就職を後押しする。つまり職業教育だといえる)とが一致していない。支離滅裂。明らかに真の目的を隠している。反対を恐れて「公共心」の育成と明確にかけなかったからでしょう?
そして「ニート」を防ぐために「奉仕」をやらせるというけれど、「奉仕」は「1単位(年35時間)で、うち10時間程度は座学。残りは福祉施設での生活支援、地域行事や児童、園児の野外活動の手伝い、森林の維持管理、河川、公園の清掃などを予定している。」というように、この科目で見ることの出来る仕事は介護とボランティアしかないなど内容が明らかに特定の職種に偏っており、これでは当科目の目的(職業教育)ではないじゃやないか。もしも本気で「ニート」を撲滅するための「奉仕」だったとしたら、次世代にケアやボランティアの仕事に無理やりでも感心を持たせることとなり、高齢社会に備えることを目的とするのかと思える。ケアワーカーの賃金低いままで、高校生にこんなすすめかたするな。
また、「ニート」を単に減らしたいと考えるのも、「ニート」の原因を生徒自信の将来設計ややる気に見ているのも安易だ。「ニート」が「社会と接」すれば改善されるとかいう考えも、「ニート」=「ひきこもり」じゃ無いんだからさぁ、適当すぎ。高校生は良くバイトをして社会に接していますよ。
とにかく、この「奉仕」という科目(というよりも、政策)は其目的が「公共心」を育成するでも、「ニート」を減らしてケアやボランティアに感心を持たせるでも、つまりは国に仕える臣民を育成するものではないか?座学もあるというから、言葉と行動からマインドコントロールですか。教育勅語を思い起こす。