追記

トラックバックしてくださった日記(http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/20050220)ではこの調査に対する意見が述べられている。私にはなかった統計の見方をしており、参考になったのでその部分を抜粋。

この調査があくまでも「(おそらくは第三者として想定された)同性カップルに対する抵抗感」についての調査でしかなく、それ以上のものではない、ということだ。言い換えれば、この調査においては身内に同性愛者がいるということをおそらくは想定していないだろうし、その身内が同性カップルを形成している可能性という点についても言及されていない。
(中略)
結局、この調査によっては、そこで想定されている「同性カップル」が具体的にどのようなカップルなのか、というイメージはまるで浮かんでこないわけだ。そのほかの質問項目が回答者にとって比較的距離を置かないような質問項目である印象を受けるのに対し、同性カップルに関する質問項目では回答者の当事者性はどこか遠くにあるものとして想定されているように感じる。

なるほどです。
この調査にこのような配慮がないのは、この場合は少子化と女性の関係を考えるための世論調査ということで、母集団が日本国民の縮図により近づくよう調査の対象が抽出し、日本国民総体(というか、20歳から49歳という限られた年齢の女性のみ)としての意識の変化を提示したいという意図があったのだろう。
この意識調査が、少子化と女性の意識の変化に関連性があるという前提の下で行われているということから、ここでは同性愛カップルに対する意識以外に、夫婦別姓事実婚・離婚といった項目に対する意識を問うて、同時にグラフ化されている(http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/etc/poll_0729/06.html)。これら三項目は、「女性の社会進出」「女性の意識の変化」に起因し、さらに「家庭の危機」として捉えられがちな現象である。こらら「家族の危機」に対して、特に女性に限ってその意識を問うということは、ライフコース選択の多様性にたいする寛容性を示すものというよりは、少子化の原因のひとつとして協調しているといえる。
この結婚に対する女性の意識の変化が少子化に繋がるという考えは、安易だし、繋がらないのでは。