摂食障害関連

お茶の水女子大学人間文化研究科助教授 青木先生の本。
一昨年授業を半年受けた。非常に涙もろく、優しい先生だった。
摂食障害の心理臨床の経験と、様々な視点からの捉えなおしを元に、心の問題からのアプローチに重点を置いて、治療者やその家族に向けてまとめたもの。
第一部は摂食障害に関する18のQ&Aで構成され、第二部では摂食障害についての之までの理論と現在行われている治療との関係について分かるようになっている。

ここでもやはり、摂食障害は現代(核家族化、物の豊富な時代、女性の社会進出とライフコースのモデルの不在など)に特有の病気であることが示されている。これを踏まえたうえで、決して子どもの摂食障害が母親のみの責任として責めることなく、社会、学校、家庭といった治療者本人を取り巻く多様な関係性の問題として捉え、関係性の改善を通じて本人が自己の性や自立について向き合い自分自身を確立していくことが重要となる。