『サバルタンは語ることができるか』
- 作者: G.C.スピヴァク,Gayatri Chakravorty Spivak,上村忠男
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1998/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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しかし、それでは語らぬ者に対してどのように耳を傾けるかについては、スピヴァクは語っていないように思う。
だが、それを語っているのが岡野八代の『法の政治学』だ。対象は違えど、語りえぬ他者の抵抗の声をどう聞き取るか、さらに相互に理解し合うかについてこの本から学ぶところは多いはず。分かり合えぬ「あなた」と「わたし」の間に横たわる関係性の網の目を丁寧に読み解き、未来の可能性を展望しながら「わたし」(「われわれ」に包含される「わたし」)の立場とおかれた状況について真摯に思考を繰り返す過程はまさにそれ。再読しなくちゃ。