高校家庭科 消費者教育「環境と消費者」 

消費者を教育 高校家庭科に新科目−−行動に社会的責任
(MSN-Mainichi INTERACTIVE 家庭)

「消費者教育」が家庭科に加わったのは94年度の学習指導要領改訂だったが、それは消費者の権利に関する内容が中心だった。
03年の額指導要領改訂では環境に配慮した消費者教育を行う新専門科目「消費生活」が誕生。「必修科目の家庭科にも同年度、「消費生活と資源・環境」という項目が加わり、環境に配慮した消費行動が初めて教室で教えられることになった」。

新しい教科書では、環境に配慮した消費生活を実行する能力を育てるため、公害問題を取り上げる「豊かさと環境問題の関係」、消費行動が必ず何らかの環境破壊を伴うことをデータで示す「消費生活が及ぼす環境への影響」、ライフスタイルによって環境負荷が変わることを学ぶ「消費パターンの環境への影響」などを取り上げた。

今、私の手元にある高校家庭科の教科書「家庭総合 明日の生活を築く」開隆堂(2004年)を見てみる。
「第4部 生活をつくる」で大きな意味での「消費者教育」をとりあげており、

  • 1章 暮らしと経済
  • 2章 消費者としての自立
  • 3章 消費生活と環境  

と構成されている。
3章を詳しく見ると、

  1. 暮らしの変化と環境問題
    1. 便利な暮らしと環境問題
    2. 国際化する暮らしと環境問題
      1. 国際化する暮らしの裏で
      2. 経済活動による環境負荷
  2. 消費生活と環境保全
    1. 環境保全につながる諸費生活
      1. グリーン・コンシューマーとして
      2. 環境に配慮した生活のくふう
      3. 消費者・企業・行政の連帯
  3. 消費者の選択と意思決定
    1. 消費者としての意思決定
    2. ネットワークで社会を変える


教科書のなかの太字部分

環境ホルモン グリーン・コンシューマー グリーン商品 グリーン購入 エコマーク 環境表示マーク 環境家計簿 ISO(国際標準化機構)14000シリーズ 意思決定 個人的選択(環境適応型の意思決定) 社会的洗濯(環境醸成型の意思決定) こどもエコクラブ 

消費者として、物品のライフサイクル、つまり生産、流通、消費、廃棄(又は修繕保持)の過程にどう関わっていくのかがよくわかる。また、国際化のなかで自分の消費が生産国にどういった影響を及ぼしているのかを経済面や環境面から知ること、環境を保持するための消費者行動とは何かを学ぶこと、企業の商品を購入することによる意思表示、さらなる環境への働きかけなど、政治的なこととして消費行動をおさえているところが興味深い。
環境問題に関するネットワークの例としてA SEED JAPAN*1について言及がなされていたいりと、環境団体の紹介を中心に事実の部分のみで構成された冷静なメッセージが個人的に好ましく感じた。”地球市民として積極的な活動をしましょう!”ってあるべき姿のようなものだけが述べられていて、役に立たない情報ばかりだという印象がこれまであったから。
教科書も変わってきたなぁと思う。

><

*1:「1991年に発足。世界50ヶ国の青年・学生環境グループが加盟するA SEED国際ネットワークの日本窓口として、国際的な環境情報の収集・発言や、国際会議などの企画運営を行っている。地球サミットでも活躍した。」(家庭総合の教科書より抜粋。こんなに詳しく書かれている。)