成年

日本では20歳以降が成年。
そして選挙権も、20歳選挙権を採用している。これは現行公職選挙法が改正された昭和20年から変わらない。
では、諸外国の状況はどうなのだろうか。

二〇〇〇年十月現在、世界一五六カ国に中一一八カ国(サミット参加国八カ国中日本以外の七カ国全部)が十八歳選挙権を認めている。十八歳選挙権はもはや国際的な潮流となっている。

なるほど。
選挙権における「成年」認識について、18歳を20歳よりもより適切な区切りであると認める国が多いといえる。

たしかに、20歳という年齢は適切な境界線ではない。90%以上が高等学校に進学することから考えて、その後大学に行くか行かないかに関わらず、多くの18歳にとってその時期は新たな出発点となっている。20歳は成人式があるだけで、社会人は社会人にかわりないし、大学生は学生の気分、すなわ未成年の延長線上にいる。どうして新たな意識が芽生えよう。そのほかに選挙へ関心をもてない要因(政治に対する漠然とした不信感とか、地理的に投票所にいけないとか)はあると思うが、それでもやはり選挙権を有する成人であるという意識の未成熟さが、若者の低い投票率如実に現れているといえる。

そこで、選挙権年齢を18歳に引き下げてはどうだろう、という議論が一部であがっている。

18歳は高等学校を終了して社会へと目を向ける時期である。18歳になれば就業していれば納税義務が発生する。婚姻も可能であり、いずれの場合も社会的には成人として扱われる。そのほかにも深夜労働、危険有害業務への従事、普通免許の取得が可能となるのが18歳だ。これだけの社会的責任が生じる年齢であるのにもかかわらず選挙権を与えないのは、社会人の意見が反映されないことになる。年齢引き下げに対して「政治について判断する能力が十分でない」という意見があげられるが、果たして20歳と18歳の間にその差はあるのだろうか。疑問である。たしかに、現在の教育における政治教育は空洞化しているが、18歳への引き下げによってその必要性が高まり、充実した教育内容になるのはそう時間のかからないことだろう。そうした効果として、社会も本人も成人としての認識が形成されることとなり、かなりの投票率が獲得できるのではないだろうか。さらに、政治に対する意識の高い若者の参入は、保守的な政治体制、人材を崩壊・排除させることが期待できるのではないだろうか。

(※この文は私のゼミの教授が、20歳選挙権の悪さについて語っていたのを多くを参考にして書いた。良識ある公民としての有権者になっても、20歳以前から就業している人は企業の方針によって投票する政党を指示されてしまうため、若く急進的な意見は反映されない。大学生は自立自活していないのだから、社会人としての意識なんてない。18歳選挙権を否定するのは保守派。)

(引用部分は、前田英昭 http://www.citizen-net.org/policy/hmaeda1/)