過去と現在と未来

11/28の日記中に興味のある発言があった。

・無効票の政治性
・棄権の政治性

である。
この意味するところは何なのかが分からなくて一瞬思考回路が止まった。
投票権が市民に意思表示の機会を与えているのにも関わらず、それを放棄することでむしろ逆説的に何らかの意思表示をしようとしているのだろう。しかしこのような消極的態度としての意思表示は言葉を持たないがゆえに、その解釈を他者にゆだねることになる。それでも何かを伝えられるのか?言葉を得た市民が言葉を自ら捨てるその行為の意味がわからない。

また、投票する権利が所与のものとして国民に与えられている現在であるからこその発言だなぁ、としみじみ思った。というのも、今ある国民国家、民主主義は、現在の占有物ではないしい現在が作り出したものではないわけで、過去の文脈との関係を無視して今を語れないのにもかかわらず、私たちは既にあるものを問い直すことはないし、現在を基準として判断するから。

しかし、その過去の前提を覆すようなこの行為の出現は過去との関係性のなかで説明がなされたならば、改めて選挙制度というものを根本から考える必要はあると思う。