狼少女・アマラとカマラ <後天的に形成される例>

1920年インドのミナプールで狼に育てられた少女2名が発見された。年下をアマラ、年上をカマラと名づけ、発見者のシング牧師の孤児院で育てられることになった。2人の行動は狼そのもので、人間らしい行動はなかった。アマラは1年足らずで死亡、カマラは17歳まで9年間生きたが、3〜4歳の知能しか発達することができなかった。

これは「性」自認が存在する以前に「人間」自認?ができていない場合だけれど、環境が「人間」を作るということと、発達段階の早い時期に既に自己自認が決定付けられているということ、つまり、性自認は生得的なものではなく後天的なものだということがわかる。

この事例より、性自認が後から付け足される性質のものであることが分かったが、それでは性自認はどういった環境で生まれるのか。
自分が人間であることと、人間には性別があるということを学習すべく環境があれば性自認は形成される。教えなくても、両親のどちらかしかいなくても、人間社会の中で生活していれば視覚的に情報が入ってくるし、子どもはそれを受容し、吸収しようとするから。

つまり、人間社会に生きている人には性自認の無い人はいない、と言える。だから、性自認の形成を妨げるとしたら、意図的に特異な環境を作り出して育児するしかない。