女性の高等教育:日本は最下位 OECD調査(9/14)

経済協力開発機構OECD、本部パリ)は14日、加盟30カ国の中高等教育実態調査の結果を発表。日本は高等教育の卒業者に占める女性の割合が学士39%(各国平均55%)、修士26%(同51%)、上級研究部門の博士23%(同40%)と、加盟国の中で最下位だった。
 学士・修士課程への男性の進学率は48%で各国平均45%を上回ったが、女性の進学率は34%で同55%を大きく下回った。

となっている。
しかし、日本における女子高等教育に対する考え方によるとこの数字とは異なる結果がでる。

(女性の大学進学率は上昇傾向)
 学校種類別の男女の進学率をみると,高等学校等(通信制課程への進学者を除く。)への進学率は,平成14年度で女性96.5%,男性95.2%と,男性よりも女性の方が高くなっている。大学(学部)への進学率は,14年度で女性33.8%,男性47.0%と差がみられるが,女性では短期大学(本科)への進学率(14.7%)を合わせた進学率は48.5%となる。女子の大学(学部)への進学率は近年上昇傾向にある一方で,短期大学への進学率は6年度の24.9%をピークに近年激減している。
 また,大学院への進学率も年々上昇し,平成14年度では女性6.4%,男性13.2%となっている(第1−8−1図 学校種類別進学率の推移)。
男女共同参画白書 平成15年版 第1部 第8章男女平等教育を推進する教育・学習より。

短期大学を大学とみなして合算したところで、当然、女性と男性のライフコースが近づいたことを示すものではない。四年制大学/短期大学二つの選択肢がほぼ女子のみに与えられるということ(そして学べる学科が特に女子向きとされるものに限定されているということ)に、つまり、日本の女子高等教育が職業における性別分業構造と連動していることに、ジェンダー差別が存在するのであるのだから。
表面的な、数の上の平等を述べても意味がないというか、悪影響だね。



【今日の本】
『短大はどこへ行く―ジェンダーと教育』 松井真知  勁草書房 (1997/12)
短大はどこへ行く―ジェンダーと教育